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2024年3月10日 (日)

秀次

 金曜日の『英雄の選択』は、豊臣秀吉の甥(姉の子)である関白秀次がテーマだった。これもたまたま先日読んだ『雨月物語』の中の『仏法僧』が、秀次の怨霊の出てくる話だったので興味深く見た。こういう意図せぬ不思議な符合というのはしばしばあって、私はそれをとても面白く感じる。

 

 どうして秀次は切腹をしたのか、その後に助命嘆願が繰り返されたのに、妻妾とその子を合わせて三十数人が三条河原で公開で斬首されなければならなかったのか、その謎と、その後の豊臣政権についての影響の大きさについて新しい見方を知った。

 

 残された文書には、秀次が悪逆非道な行為を繰り返した、と記されたものもあり、それに怒った秀吉が切腹を命じたというのが通説だった。しかしそういうこととは別の理由で秀吉は高野山への謹慎を命じただけだという記録があることがわかってきたそうで、現職の関白を切腹させるというのはほとんど暴挙に近く、秀吉はそんなことを望んでいなかっただろうという。現に秀吉は秀次が高野山に長期滞在するための段取りを命じた記録も残っているようだ。

 

 ところが秀次は高野山に移って間を置かずに、秀吉の意に反して切腹してしまう。何らかの謀略で偽の切腹命令が出された疑いもないわけではなさそうだ。意に反した切腹をしたことで秀吉を困らせたことは、秀吉の激怒を招いた。無実を示すためといいながら、ただ秀吉に怨みをぶつけただけに見えてしまう。その結果、政権にとっての悪影響と、事態収拾の困難さを招いたからだ。

 

 番組では、秀吉だけでなく、周囲の政権維持担当者たちも、断固たる処罰をせざるを得ずに、女性と子供を公開で斬首するという挙に出たのだと推察していた。ただし殺された若い女性たちには大名や有力者、公家の娘もいたようで、その怨みが豊臣政権を衰退滅亡させることにつながったという見解に、なるほどと思った。

 

 悪逆非道な人物だった、という記録が権力者側に残されている場合は、しばしば処罰したのは悪逆非道だったからだ、という話をすり替えたものが多いので、秀次についても同様であったかもしれない。

 

 ところで、以上の経緯が本当なら、怨霊になった秀次の怨みとは、自分の死後に自分の妻子が殺されたことにあるわけだ。死んだ後のことで怨霊になるのかなあ。

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