『兎、波を走る』
野田秀樹脚本・演出の舞台、『兎、波を走る』を見た。もちろん舞台そのものではなく、WOWOWで放送されたものだ。演劇はめったに見ないが、今回は多部未華子が出演しているので録画しておいた。多部未華子の演劇は、大分前だけれど『サロメ』に出演しているのを見たことがあり、奥田瑛二の向こうを張って熱演していて素晴らしかった。私は多部未華子が別格的に大好きだけれど、ただのコメディエンヌではない、才能のある女優だと思う。
今回は高橋一生、松たか子、多部未華子がメインキャスト。二時間を超える舞台で、しかも野田秀樹の演出だから、俳優はすさまじい運動量が強いられていて、舞台が終わった後のインタビューでその苦労話が語られていた。
前半は『不思議の国のアリス』をモチーフにしたようなシュールな展開から始まって、その意味するところがわかりにくいから、台詞を聞き逃さないように普段以上に音量を大きくして集中してみていた。野田秀樹が始まる前に、「観客の集中力が普段以上で、のめり込むように見てくれる舞台になってありがたかった」と語ったことの意味がすべて見終わったときによくわかった。この演劇のテーマを知ってから見ては、この集中力を損なってもったいないので、それはここに書かない。
とにかく最後のシーンで心が揺さぶられた、ということだけは記しておく。このテーマをこういう演劇にするということの重さを感じるとともに野田秀樹の才能に敬意を表する。
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でました、多部未華子ちゃん\(^o^)/
最近彼女はコマーシャルでも活躍していますね。私は多部未華子という女優が演技者として十分に活躍しているという事を知りませんでした。
若い頃には劇場に出向いて舞台などを鑑賞したこともありましたが、現在はテレビだけが唯一の鑑賞法となりました。
何度もいうようだけど、当方のテレビ番組は本当に”好いもの”をなかなか見せてくれない( *´艸`)
そちらに比べたらわが地方はド田舎だとおもいます!スミマセン、ついイライラ(-_-;)
投稿: おキヨ | 2024年3月23日 (土) 12時12分
おキヨ様
名古屋には御園座もありますが、実際に足を運んだことは母を連れての一度しかありません。
生まれてから舞台の演劇を直に見たのは数回だけです。
今度見たのも、WOWOWの中継録画を放送したものです。
舞台の役者はとにかく発声が大事で、今時の何を言ってるのかわからないジャリタレは舞台では通用しません。
海外の映画やドラマでも、声がとても大事だということを思い知らされます。
日本の役者の、お粗末な声の多いことを耳が遠くなって特に感じさせられています。
投稿: OKCHAN | 2024年3月23日 (土) 12時24分