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2024年3月 5日 (火)

世界がつながる

 世界とは私の頭の中の世界のことで、現実世界より大分狭くて隙間だらけである。ほとんど隙間でできているというべきか。私が新しく何かを知るということは、ほとんど点のような新たな場所をその世界に付け加えることである。観念的で何のことやらと思われるかなあ。

 

 いま『平家物語』を読んでいて、そこから崇徳天皇のことを知り、さらに崇徳天皇の怨霊のことを書いた『雨月物語』の『白峰』を読んで、その怨念、祟りのようなものを知り、日本三大怨霊について得心する。また安徳天皇生誕の前後のことを知り、その父親であった高倉天皇の短い生涯や、以仁王との関係、そしてその以仁王が出した平家打倒の令旨の経緯、源三位頼政、そして以仁王の運命、そして三井寺の焼き討ちのことを知る。今度三井寺に行こうと思う。

 

 『平家物語』には、繰り返し安芸の宮島の厳島神社が出てくる。平氏の守護社であるから当然だが、この物語を知ったうえでみるのはまた格別だろうかとも思う。『雨月物語』から見れば、『菊花の約』では尼子氏などの戦国時代の中国地方の群雄の関係をより詳しく知りたいと思うし、以前富田城跡には行ってもいるのだが、また訪ねたい気もしている。さらに『浅茅が宿』では上総あたりの戦乱の世が舞台だが、『里見八犬伝』の世界の背景となった安房の里見氏については、『英雄の選択』で取り上げられていて、先日再放送され、北条氏、足利氏、里見氏、千葉氏、上杉氏などの勢力争いが説明されていた。私のふるさとも関係する地域であるから、断片的には承知しているが、もう少しその断片をつなげてみたい気もする。

 

 安徳天皇についてはつい先日に、九州に行った帰りに壇ノ浦に立ち寄り、その前の赤間神宮を訪ねた。ここは安徳天皇の御霊をやすめるための神社である。さらにしばらく前に読んだ『方丈記』がまさに『平家物語』に描かれた時代のリアルタイムの随筆であり、実は『平家物語』の中には『方丈記』の文章が少なからず取り入れられているのである。『平家物語』の成立はもちろん平家が滅びてからであるが、その後二百年近くにわたってどんどん改編補筆されていて、異本がたくさんあるのである。そこには中国の故事がいろいろ書き加えられていて、それらが私の知る中国の本から知ったこととずいぶん違うものになっていたりして、その理由を考えたりさせられる。

 

 こうしてバラバラにあった、様々な点状の知識がつながっていく。そこからさらに関連したことを広げていき、つながる線がさらに増えて、ついには面のようになり、時空を超えて立体化して私の世界が一部増築されていく。新しいことを知ること、そしてそれによってその前に知っていたこととの関連が見えてくる事のうれしさは格別だ。多分すべてのことはつながっている。つながっていることを感じることがなんだか無性に面白くなっている。

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コメント

お早うございます。

繋がる事の面白さ・・・私も経験しています。
歴史や経済を勉強していた高校の時期・・・単に記憶としての知識でしたが、
大学で歴史の中で経済が発展し、その逆で経済が歴史を作っていく・・・
その事が分かった時に、
高校生の時にこの繋がりが理解出来ていたら、もっと勉強が楽しかっただろうと。
OKCHANさんの本の読み方はそういう意味からつながりが理解でき、楽しいでしょうね。

マーチャン様
ありがとうございます。
この面白さに本当に気がつくのに少し時間がかかりすぎた気もしていますが、それでもそこそこ楽しめています。
自分の知っていることがいかにわずかかも思い知らされますが。

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