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2024年3月28日 (木)

さわり

 デジタル音楽の配信会社から、一時期ジャズやクラシックのさわりを集めた名曲集を何種類か購入していた。それをコレクションにしたものをときどき聴く。静かな曲なら、何かするときのバックグラウンドミュージックにするときもある。「さわり」というのは、音楽の聴かせどころ、という意味であるが、物語の読ませどころという意味で使うこともある。『平家物語』などならもともと琵琶法師の語りだったから、そういう転用もあるだろう。

 

 高校生向けの古典の参考書などを拾い読みしている。たぶん息子が受験勉強用に使ったものだろう。古典の中のさわりを集めたもので、上下巻に分かれていて、いま読んでいる上巻は『伊勢物語』『雨月物語』『宇治拾遺物語』『大鏡』『奥の細道』『源氏物語』『古今著聞集』『古事記』『今昔物語集』『西鶴諸国ばなし』『更級日記』『沙石集』『世間胸算用』が収められていて200ページほど。

 

 だからほんとにさわりだけだが、一番面白い部分を集めてあるから、読んでいるとその物語を全部読みたい気にさせてくれる。多分私が高校生の時にそういう形で古典に接したら、もともと物語を読むことは嫌いではないから古典が好きになっていたかもしれない。私がそういう出会いをしなかったのは、私がうかつにも見逃していたのか、出会いの機会を与えられなかったのか。

 

 そういう参考書だから、例えば歴史書でもある『大鏡』などでは、その時代背景、登場人物の事績、系図などの縁戚関係まではほとんど注釈されていない。それらがわかるともっと面白いのに、と思う。そう思うのはいま読んでいる『平家物語』の注釈がかなり詳細で、しかも比較するための資料が注釈や解説にたくさん引用されているからだ。さらに素晴らしいのは、人物の説明が、以前出てきた人でも省かずにその都度簡略に説明してくれて、以前どこで登場したかも書かれていることだ。この親切は忘れやすい私などにはとてもありがたい。

 

 参考書はどうしても語句や文法的な面に重点が置かれる。そういうものは繰り返し読んで読み慣れてくるとなんとなくわかってくるもので、まず読み慣れるほど読むことにつとめている。それが好きになるための第一歩だと思う。まだ古典初心者であるが、とにかくその第一歩を踏み出したところだ。

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コメント

こんにちは。
いつも素晴らしい記事を有り難うございます♡
私は高校時代、選択科目で古文をとりそれこそ!さわりで平家物語、徒然草、源氏物語を読みました。薄っぺらな要約したものだったと思います。
探したら?何処かにあるかも知れません。
高校の修学旅行で屋島へも行きました。遠い遠い昔です!

マコママ様
知っている場所に出かけると、ひとしお思いがわきますよね。
そうしてまた新たなことを知れば行きたくなります。
司馬遼太郎の『街道をゆく』などにはずいぶん啓発されましたし、菅江真澄という江戸時代の紀行文を書いた人や『奥の細道』などの歩いた跡をたどったりしました。
まだまだ知らないことの方が多いです。

こんばんは
私も最近大学受験時代に使っていた『速読英単語』(Z会)を読み直しています。そうすると「ああ、こんな文章あったんだ」とか「思ったより忘れた単語が多いなあ」と新たな発見があって面白いです。このテキストはかなりの名著だそうで、何回も改定や版を重ねているそうです。そうしたテキストはいつでも読めますね。
では、
shinzei拝

shinzei様
処分する前に目を通そうと思ったら、ちゃんと読めばそれなりに面白いものであることを知りました。
思えば参考書をきちんと読んだことはありませんでした。
もし読んでいればもう少し成績も上がったかもしれません。
これもたらればです。

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