メモ用紙
父は端正な字を書いた。父の兄弟はみな、字がうまい。長姉は小学校しか出ていないのに手紙は達筆で、ほぼ草書のその字はうますぎて読めなかった。字のうまい下手はもちろん練習努力もあるのだろうけれど、生まれつきもあるのかと思ったりする。母方はあまり字がうまくなく、母も丁寧には書くけれど、上手とは言いがたく、必要なものはほとんど父に書かせていた。父は書くことを苦にしない。私は書くことを苦にしないところは父似だが、残念ながら字については母似である。
字を書くことが好きな父は、新聞などで気に入った文章や格言などを見つけるとよく書き写していた。なくなって、そういうメモがたくさん残された。私の娘は父に書いてもらったものを机の前の壁に貼っていた。「艱難汝を玉にす」「金剛石も磨かずば・・・」なんてのがあった。ほかにもいろいろあったけれど覚えていない。父はチラシなどの裏が白いのがあるとそれをため込んでいて、それをメモ用紙にしていた。
私も裏の白い紙を見るとうれしくなる方で、チラシの類いや役所から送られてくる様々な案内などの書類で必要のなくなったものなどをメモ用紙としている。A4の半分に切ったものをクリップで挟んでメモ用とする。カレンダーでも裏が白ければ切りそろえてメモ用紙にする。使ってもいくらでも補充があるので、メモ用紙に困ることがない。
朝起きたらその日にすることを箇条書きにする。昔と違ってそれほど用事はないから、いまは当たり前のルーティンも書き込んでいる。買い物が必要なものもメモする。用事が済んだら消していく。消すことは用事が済んだことなので、消すことが楽しい。思いついたことも次々にメモに書き留める。ただ、詳しく書かないから、あとで何を書いたのかわからないことも多い。単純にメモに書くことが好きなようだ。
メモ用紙が十分にあるとうれしい。
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この欄は素通りしようかと・・・。
私は姉妹いち字が下手ですね。
文盲の祖父は驚くほど字が上手かったし、兄弟、妹たちもそこそこ字が達者。。。それなのに私は・・・。
投稿: おキヨ | 2024年3月16日 (土) 12時14分
おキヨ様
悪筆でも愛嬌のある悪筆というのがあります。
いかにもぞんざいで乱暴なのはいけませんが、丁寧に書かれた悪筆は好感を持てます。
それにしても字が下手だと祝儀不祝儀の袋に名前を書くときに、情けない思いをしますね。
投稿: OKCHAN | 2024年3月16日 (土) 12時50分