平家都落ち
『平家物語』巻の七は平家一門の都落、続いて福原落で終わる。
解説に曰く、
維盛ら一行を待ちうけて、「うれしげ」に迎えた宗盛の心情には、いささかの疑心があったことであろう。嫡男を伴わないことを問うことばのうらにもそれはうかがわれる。
こうして都を落ちていく平家一門の主だった人々の名が列挙される。
この先、この人々は、一谷、屋島、壇浦であるものは討死、自害し、あるものは捕らえられて、処刑、流刑となり、またある者は、前途を悲観して、西海流離の途上、入水して果て、また戦線を脱出し一門から離れて自殺してゆく。滅亡という大きな運命の中で、それぞれが遭遇してゆく個々の運命が語られてゆくことになる。「我ら都へ帰し入れさせ給え」と八幡宮にこめる祈願もむなしく、ついに平家は都に帰還することなく、滅び果てていくのである。
まさに繁栄から滅亡へのターニングポイントを超えたところである。一門といっても、全体が強固な集団というより、いくつかの集団の集まりのようなところもあり、維盛を核とする重盛一族と宗盛や知盛の集団、それ以外ではその滅びの運命に大きな違いもあるようだ。
さあ、巻の八に突入である。すでに後白河法皇は平家と同行せずに姿をくらましている。その消息と木曽義仲の都への突入と平家残存兵力との戦い、その都での振る舞い、鎌倉の頼朝たちの動きなどが語られていく。巻の九はその木曽義仲の運命、義経の平家追討へと進んでいく。楽しみだなあ。じっくり読みたい。
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