尼御前
北陸道で福井から金沢に向かうときには、ときどき尼御前のサービスエリアに立ち寄る。今回は久しぶりだ。
『奥の細道』のことを書いたときにも、『平家物語』のことを書いたときにもこの句を引用した。しかし尼御前のサービスエリアにこの大きな石の句碑があるとは承知していなかった。
木曽義仲軍に大敗した平家側の老将、斉藤別当実盛を偲んで詠んだ句である。あわせてこの銘板にはこの地が尼御前岬と呼ばれている由来も記されている。
頼朝に追われて落ち延びていく義経一行に同行していた尼御前と呼ばれる女性が、この先の安宅の関を越えるには女性連れでは無理であることを知り、足手まといにならないためにこの岬の断崖から身を投げたという。
その尼御前岬はこのサービスエリアの裏手にあり、以前は裏手に抜ける道がいくつかあったのに、リニューアル後に久しぶりに来たら今回は一カ所だけになっていた。抜けたすぐ先に咲いていた桜。
坂を下って左手奥が尼御前岬になる。右手には散り始めている桜並木がある。花曇りである。
こんな花も咲いていた。葉の形状からこれも桜だと思うのだが。
尼御前岬公園という公園があり、ここに尼御前が立っている。
ほとんど少女とも見える若い女性の像で、とても美しい。
ここは崖の上なので、その崖は見えない。日本海は静かに凪いでいた。
これで今年の桜は見納めだと思う。
« 九頭竜湖の桜 | トップページ | したいこと、やりたいこと »
コメント