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2024年6月11日 (火)

『闇の都市、血と交換』

 栗本慎一郎・笠井潔『闇の都市、血と交換』(朝日出版社)はレクチャーブックシリーズの一冊で、『経済人類学講義』と副題がつけられている。私の世代から上の人なら栗本慎一郎を覚えているかもしれない。独創的な論でマスコミに取り上げられることも多く、著作も多かったしテレビでもよく見た。

 

 当時は「経済人類学」というのはいったい何なのかさっぱり分からなかった。おかしな学説を唱えて人を煙に巻いているとしか思えなかったのだが、今回この本を読んで、多少はこういうものであろうと理解できた気がする。少なくとも彼の論を一つの視点として世界を見直すとき、今まで思いもよらなかった側面が見えることだけはたしかである。

 

 対談相手の笠井潔は作家で、やはり論客である。代表作は『ヴァンパイヤーウォーズ』シリーズでSF伝奇小説と呼ばれていた。もちろん私はそういう話が好きなので読んだことがある。平井和正よりも半村良テイストといっていいだろう。この人も博覧強記のうえにズバズバ相手に切り込む人なので、この対談は濃度が高く、読者はしばしばおいて行かれそうだ。

 対談の最後に栗本慎一郎は「最後に、皆さん勉強してください」と締めくくっている。

 

 「交換」というのは哲学や人類学では非常に重要な概念で、通常思い浮かぶものよりも、人間の社会活動の原点に関わるものである。そして「交換」は外部との「境界」で行われるものなのだ。ここでこの前のブログで書いた『境界の発生』と話はシンクロしていくのである。「境界」を考えるということでは視点が変わるだけで、その見つめているものは同じだといえる気がする。「交換」と「境界」・・・だから経済人類学なのである。

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