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2024年6月 4日 (火)

和魂漢才?

 今読みかけの本の一冊に、会田雄次の『ヨーロッパ・ヒューマニズムの限界』というのがあって、若いころ、古本屋で目にとまったので手に入れて読んだ。名作として名高い『アーロン収容所』を読んだばかりだったのだ。『ヨーロッパ・ヒューマニズムの限界』は、いくつかの評論をまとめたもので、西洋史学者で京都大学名誉教授のの会田雄次が、西洋人が日本を、そしてアジアを見る目と、日本人が西洋を見る目の違いを、彼なりにわかりやすく際立たせて書いたものだ。若いときはおざなりな読み方で、今でもたいした違いはないかもしれないが、その当時よりは少し深く読めた気がしている。

 

 それは何冊か先崎彰容の本を読んできたおかげかと思っている。特に『鏡の中のアメリカ』という本で考えさせられ、新しい視点を教えられた。少し先になると思うが、このあともう一度先崎彰容に戻って、福沢諭吉の『文明論之概略』を彼なりの解釈で現代語の文章にした本を読もうと思って準備していて、そこで同じ論点を複眼的に見直すことが出来るのではないかと思う。ベースに養老孟司の影響も少なからずある。

 

 『ヨーロッパ・ヒューマニズムの限界』を読みながら、「和魂洋才」ということばを思い浮かべたのだが、私の小さな国語辞典で調べたら、「和魂洋才」はなくて、「和魂漢才」ということばが載っていた。ことばは違うが意味は同じである。私が戦後教育を受けて、歴史認識や価値観がその教育によって形作られていること、その価値観がアメリカ的なもの、西洋的なものであることを知り、そのベールによるゆがみをなんとか矯正したいと思いながらさまざまな本を読み、矯正しているのかさらにゆがませているのか分からないときもあった。多くの知識人がいる中で、それを自覚的に行って、曇りのない目で世界が見えている人はわずかしかいないと思っている。会田雄次にしても、その矯正しなければという意識が強すぎる面が見えてしまうが、彼がものを考えていた時代というのを考慮すれば仕方がない気もする。少なくとも問題点をきちんと認識していたという点で優れた先達なのだ。

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