映画『舟を編む』
少し前にNHKドラマの『舟を編む』を大変楽しく興味深く見させてもらった。興味深いというのは、テーマが辞書だからで、私は熱心に辞書を引くとはいえないけれど、常に座右には置いていて、もう少しこまめに引きたいと思っている。ドラマでは途中から辞書編纂チームに参加した岸部みどり(池田イライザ)が主役だったが、今回見た映画(2013年)は馬締(松田龍平)が主役である。映画の岸辺は黒木華が演じている。
ドラマも映画も三浦しをんの原作に概ね忠実なので、見ていてあまり違いはない。タイムスパンが違うことと、映画では監修の言語学者、松本(加藤剛)が辞書の完成前に亡くなることだろうか。映画版には加藤剛や八千草薫が出ていたのが懐かしい。それと伊佐山ひろ子の顔が見られてうれしかった。香具矢役はもうけ役で、ドラマではミムラが、映画では宮崎あおいが演じている。ともに好い。
辞書というものがどれほど大切なもので、それを作り上げるということにどれほどの時間と労力を傾けられているものであるのか、それを改めて教えられる。仕事の達成感というのは、困難であるものほど大きいという当たり前のことも共感させてくれる。優れた辞書はそこに人生を傾けても好いというほどの思いを持つ者が集まってこそできあがるのであり、わざわざ「優れた」とつけたのは、そうでもない辞書もあることを、谷沢永一をはじめとして多くのこだわりを持つ賢人に知らされているからだ。もう少し辞書を引こう。
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