『天使の耳 交通警察の夜』
しばらく前に放映された、東野圭吾原作をもとにするNHKドラマ『天使の耳 交通警察の夜』全四回を一気見した。さすがに東野圭吾の原作で、見応えがあった。三年半ほど前に追突されて死にかけた経験があるので、交通事故のシーンは見るのがつらい。トラウマになっているようだ。だからこのドラマの冒頭部の交差点での衝突シーンを見て、ドラマを見るのをやめようかと思った。
このドラマを録画してまで見ようと思ったのは、主演が小芝風花だったからだ。何年か前にやはりNHKの連続ドラマでそのコメディエンヌぶりを見て、その自然さとかわいさに一目惚れしたのだ。浜辺美波やわが愛しの多部未華子が好きになったのも、そういう役柄のドラマを見たのがきっかけだった。
交通事故の責任はどこにあるのか、加害者はどちらで被害者はどちらか。その判定や交通法規はどこまで適正か。時に生死が関わることに理不尽な判定が下されていないか。それに対して人は何ができるのか。それを突き詰めていったとき、「正義」のお守(まも)りは何を抱え込むことになるのか。自ら強く希望して交通警察に新たに配属された新人(小芝風花)とその上司(安田顕)が自己検証していく過程で生じる謎や疑問、そこにそれぞれが抱える人生までが浮かび上がってくることもある。正義を追求しすぎると思わぬ陥穽にはまることも・・・。
安田顕の演技はやはり素晴らしい、そして小芝風花はやはりとてもかわいい。やめずに最後まで見てよかった。でも事故のシーンは心に痛い。それと、私事ではあるが、事故の後、忘れられないのはこちらは死ぬほどの思いをしたのに、保険会社のベテラン担当者の慇懃無礼さである。補償は法律で定められたとおりであるからという言い方に誠意は感じられず、不快感だけが残った。その保険会社と加害者に怨みの気持ちを残されたけれど、彼らはとっくに忘れているだろう。
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