中国名言集(20)
殷鑑遠からず
『詩経』の中のことば。
殷鑑(いんかん)遠からず
夏后の世に在り
「殷王朝が鑑(かがみ)とすべき先例は近い時代の夏王朝にある」という意味であり、夏の王朝が暴君の桀(けつ)によって滅びたことを戒めとせよということである。失敗の先例は遠くに求めなくとも、すぐ近くにあるという使い方をされるが、中国の歴史をひもとくと、どうしてこうつぎつぎに繰り返し同じ失敗によって国が傾き、王朝が倒れるのかとあきれてしまう。そもそも人間というものは、先例に学ばないものなのだとこの頃は感じている。だから誰もがしてはならないし、したら相手だけではなく、自分にも大きな損失となるとわかっている戦争がなくならないのだろう。
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