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『チャップリンの独裁者』を久しぶりに見た。学生の頃、映画好きだったので、ちょっとだけ映画同好会のお手伝いをして、劇場に掛からない古い映画をいくつか見せてもらった。この映画も見た記憶がある。チャップリンは『キッド』や『モダンタイムス』も見た。『七人の侍』も見た。もっと見たけれど何を見たのか忘れた。雨降りのフィルムだったけれど、当時はいまより感受性が豊かだったから、感激したものだ。
『チャップリンの独裁者』はファシズムに対するチャップリンの激しい怒りがいささか過剰でしつこい。これは単にナチズム批判だけではなく、戦争が終わった後のソビエト連邦の社会主義や、アメリカのマッカーシズムという、希望が幻滅に変わったことへの怒りも含んでいるとみるのは考えすぎか。
録画してあった細田守監督のアニメ映画『バケモノの子』を見た。こういう映画は気楽に見られて好い。「我を通す」ということについて考えさせられた。「我を通す」ことにこだわると周囲と摩擦が生じて生きにくい。妥協して生きれば楽である。しかし真に自分を生きようと思う人間は、妥協することによる苦痛の方がじつは大きいのだ。そういう妥協できない少年がバケモノ世界に迷い込み、ひょんなことからバケモノの世界ですら妥協できずにいる熊徹というバケモノの弟子になる。激しくいがみ合いながら、しかし次第に心を通わせていくふたりの様子はこういう成長物語の見所だ。少年が成長し、熊徹も成長する。やがて物語は思わぬ展開をする。声優が豪華だ。宮崎あおい、染谷将太、役所広司、広瀬すず、大泉洋、リリー・フランキー、津川雅彦、黒木華、麻生久美子等々。わかった人もあるがエンドクレジットを見て驚いたりした。
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