中国名言集(19)
情人(じょうにん)の眼裏 西施(せいし)を出だす
中国のことわざ。井波律子によれば「恋人の眼中に西施が姿を現す」という意味だという。西施は中国の有名な美女で、男は恋をすると相手の女性が西施に見えるということである。日本では「あばたもえくぼ」という。
西施は楊貴妃、貂蟬(ちょうせん)と並んで中国三代美人とされる。ここに王昭君を加えて四大美人ということもある。それを踏まえて、芭蕉が『奥の細道』の中で「象潟(きさかた)や 雨に西施がねぶの花」と詠んでいる。楊貴妃はぽってりとした肉感的な美人、西施は細身の愁いを含んだ美人ということなので、私は西施の方に心が動く。西施は「ひそみに倣う」ということわざでも知られる。西施が病で顔をしかめても美しかったのを見て、醜女がそれを真似したら、人々の物笑いになったという話。
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こんばんわ!
そのような名言が中国にあったのですね・・・
西施の方に心が・・・?細身の憂いを含んだ美人の西施。
俺も西施に心が動きます( ´艸`)
投稿: でんでん大将 | 2024年8月 7日 (水) 21時55分
でんでん大将様
西施は呉越春秋のヒロインですが、戦いが済んだ後の消息は不明されています。
そのためにいろいろな作家が想像を加えて、その後の西施についてたくさんの小説が書かれています。
陳舜臣の小説だったかと思いますが、生き延びて范蠡とともに幸せに暮らした、というのが最も好きな話です。
投稿: OKCHAN | 2024年8月 8日 (木) 07時47分