『山女』
映画『山女』は2023年日本・アメリカ映画。遠野物語をベースにして、18世紀後半の東北の山村を舞台に物語が展開する。この映画がWOWOWで放映されたときにすぐに見たのに、見たことを忘れていた。みていて、あれっ、と思ったけれど、最後までもう一度見てしまった。
天候不順で米が取れず、飢饉が続いている村で、過去の出火元であったことをとがめられて村八分になっている一家の暮らしはひときわ深刻な状態になっていた。母親はすでにいない。父親と娘、息子の三人暮らしだが、息子はほぼ目が見えない。さらに父親が事件を起こし、それをかばって自分の犯行だとうったえた娘は、村を出て山に向かう。父親は神隠しに遭った、と言い張るが、みな半信半疑である。どのみち小娘が一人で山で生きていくことなどできないことである。
そこからどうしてその娘が生き延びたのか、そして娘が生き延びたことを知って、その娘を人身御供にして天の神に捧げて飢饉から助かろうとする村人たち。そして奇跡が起こる。
それなりによくできているし、俳優たちも熱演であるのだが、私自身の遠野物語の世界についての思い入れとはだいぶかけ離れていて、少し残念な気がする。それに台詞回しも物語の展開も、なんだか全体にもったりしていてクリアさに欠ける気がする。森山未來は好きな俳優だが、この映画での彼はいつも通り素晴らしい。それが見られるだけでも良しとしたい。
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