『坂の上の赤い屋根』
少し前にWOWOWで放映されたドラマ『坂の上の赤い屋根』全五回を一気に見た。日本のミステリーで、同名の真梨幸子の小説を原作とする。十八年前、女子高生が医者の両親を殺害したセンセーショナルな事件を、新たに掘り起こそうという小倉紗菜(倉科カナ)という新人作家の企画を、上司の反対を押し切って、副編集長の橋本涼(桐谷健太)は強引に推し進めた。ふたりで事件関係者に取材して回り、その事件の背景の詳細が次第に明らかになっていく。女子高生は無期懲役で服役中、主犯とされた彼女の恋人の死刑は確定しており、執行を待つ身である。
死刑囚のその男には獄中結婚した相手がいた。その男が突然再審請求を妻に依頼したことで、関係者のあいだにさまざまな波紋が広がっていく。どうして突然そのような行動を始めたのか、そして新人作家はどうしてこの事件にこだわるのか。さらにそれを強引に進める編集者の目的は何か。やがて思ってもみない展開がある。全般に極めて暗いドラマである。精神に疾患があるとしか思われない行動に走る者も出てくる。そして、ついに新たな惨劇が起こり、すべてが計算されたものであることが最後に明らかになる。まあ大体見当はついたけどそれなりに面白かった。獄中結婚した妻役の蓮佛美沙子の演技が素晴らしい。また、脇を固めた一人、斉藤由貴もさすがの演技だった。
こういう怨念めいたミステリーは女性作家の方が得意なようだ。
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