中国名言集(18)
毛を吹いて小疵(しょうし)を求む
『韓非子』大体篇にあることば。髪の毛を吹いて隠れた小さな傷を探し出す、という意味だが、ことさらに他人の欠点や小さなミスを暴いて追求することをいうときに使う。『韓非子』の文脈から、井波律子は「他人のあら探しをしてもろくなことはない。自分の視野の狭さを露呈するだけである」としている。
それにしても「毛を吹いて小疵を求め」て、鬼の首を取ったように騒ぎ立てる者のいかに多いことか。同時に、他人の欠点、まちがいに気がつくと、ついそれを指摘してしまう自分自身の振る舞いに思い当たって、いささか忸怩たるものがある。ただ、他人の疵を指摘することが、自分を高めることだとは思っていない。指摘されて自分が明らかなまちがいだと思えば、わたしは素直にまちがいを認めてあらためるつもりがある。
ただ、私の物言いは、ちょっと逆説的な言い方をすることがあって、それが理解されずにことばの端だけで批判されると、ちょっと感情的になってしまうことがある。それを我慢できないのが自分の欠点だ、とは薄々気がついているのだが。
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