不満居士
昨晩、先日の秋田県大曲の花火大会の録画を見た。リアルタイムで見ないのは、アナウンサーやゲストなどの長々としたお話を聞く気がないからだ。それを飛ばしながら花火だけ見れば好い。マンションなので、思い切り大音量で聞くわけにはいかないからヘッドホンで聴く。がっかりだった。重低音がカットされていて抑制された音量では迫力なし。お話の音量の方が大きいくらいのお粗末。クリアで高精細の花火の映像は、臨場感があるはずなのに、花火全体を映そうとするあまりに遠目の小さな花火の映像ばかり。つまり、遠い花火を見ている状態なのだ。ごくたまに画面いっぱいに映すとさすがに迫力満点だが、それはほんのわずかであった。現地に行ってみたいけれどそれも叶わないからせめてテレビ中継で、という人にとって、残念なことであったと思う。花火を楽しむ、ということがどういうことか、番組プロデューサーはわかっていないのではないか。おまけに花火大会の途中で番組は終了。たいてい花火大会の最後に盛大に打ち上げる大玉の乱れ打ちがあったのではないかと想像すると、なんだこれは、である。いままでの花火中継で最低ではなかったか。
そういうわけで昨晩のニュースを見ていないので、五時からの朝のニュースを見た。NHKの冒頭は、日向灘沖地震に発した東南海地震警戒の顛末である。早朝のニュースなら、昨日あった出来事を報じるものだろう。それがそうでないものを延々と報じている。他の局に変えたらちゃんと三面記事的ニュースを報じていた。それは好いのだが、殺人事件の取材に、近所の人へのインタビュー、「こわいですねえ」「このあたりでこんなことが起こると思いませんでした」を聞かされる。こんなインタビューをわざわざ報じる意味があるのか。おまけにすぐCMの猛攻である。
朝から腹を立てていても仕方がないが、もう少しまじめにやってくれと思う。
そういえば、たまたま見た昨日の昼のバラエティニュースで、米がないとかあるとかいう話を取り上げていて、スーパーの店長が「自分の三十年の経験で、こんなに米が売れるのは初めてです。今までになかったことで、異常です。通常の入荷は続いているし、これから新米が続々と入ることが決まっているので慌てて買う必要はありません。今はとくに高値になってしまっていますが、次第に価格も落ち着いてくるでしょう」と説明していた。それに対して恵俊彰が「でも現にいま店頭に米がなくて、買いたい人が買えないのは事実でしょう」といっていた。何を聴いておるのだ、この男は。だからマッチポンプだというのだ。
流通業者や生産者は米があることを知っている。たまたま需要が集中していて供給が滞っているだけであることを知っている。そしてこれから新米が次々に供給されることもわかっている。マスコミだって取材しているから知っている。しかし、現に店頭にない、この店もないしあの店もないではないか、「朝にはあった」といっても「今ないではないか」と言い立てて庶民の不安をあおっている。こうして余分な米を買い込んだ人たちは、高い米を買わされ、米びつに入りきらない米を抱えていつまでも前の年の米を食べさせられるのだ。農家の米の買い取り価格が上昇している、ということだけが救いか。農家だけ収入を上げられないのはおかしいのだ。農家が土地持ちであることへの焼き餅は、いま地方の地価が下がっているからもう意味がないのだ。農政やJAについても思うことはあるが、詳しく知らないことなので、今のところ語る資格はないと思っている。
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