気になっていたのに
親しくさせてもらっている大阪の兄貴分の人とは、気がついたら三年ほど会っていない。コロナ禍のせいである。コロナが猖獗を極める前に訪ねて以来、電話でのやりとりばかりになっていた。以前は年に二度は訪ねて泊めてもらったりしていたのに不義理なことである。少し前から涼しくなったら会いに行こう、連絡を取ろうと思いながら自分の体調がおかしくなった。
兄貴分の人からは、二三ヶ月に一度電話が来る。来なければこちらから電話を入れる。特に用事はなくて、近況報告のようなものである。兄貴分の人は顔が広いからさまざまな情報が集まり、共通の知人の消息を知ることができる。だから私も知っていることはたいてい話をする。それが三ヶ月連絡がなかったので気になっていたのだ。
体調がだいぶ戻ったので電話した。相変わらずのドスの利いた低い声で応答があったので元気なのかと思ったら、七月末から入院して手術したのだという。一ヶ月ほど前に退院はしたのだが、体力が著しくおちてしまったので、いまはリハビリ専門の病院で筋力回復の訓練をしているそうだ。十年ほど前に大病して、二三年に一度入院したり手術をしてきたが、久しぶりの大手術だったようだ。知らぬこととはいえ申し訳ないことであった。
その兄貴分の人から共通の知人(兄貴分の人よりも年上)の訃報を聞いた。昔のことを思い出して、二人ともしんみりした。入院しているところに慌てて駆けつけるのも今さらなので、退院するという来月に会いに行くことにした。ついでに大阪の友達に会いに行くのも好い。
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