病膏肓
病気になって治らない状態になることを「病膏肓(やまいこうこう)に入る」という。本当の病なら深刻な事態であるが、この病が「悪癖」という意味で使われることが多い。病にはそういう意味があるのである(辞書にも載っている)。
発熱して伏せっていて、体温が38℃近辺のときはさすがにただじっとしていたが、37.5℃を切る頃になると辺りをキョロキョロし始める。手持ち無沙汰なのである。音楽を聴いてみるとうるさい。ところが本を開くと少し読める。十ページか二十ページ読むとさすがに疲れて本を閉じ、うとうとする。一眠りするとまた違う本を開いて少し読み、また一眠り。気がついたら七八冊の本が横に積まれている。
エンターテインメント本は読めない、というよりもそういう読み方になじまない。森本哲郎や、養老孟司、西部邁(すすむ)、高島俊男、山本七平などの本を読み囓った。読みながらぼんやり書かれていることを考える。考えると疲れるから眠ってしまう。眠るために考えているようなもので、ほとんど何かまとまったものになるわけではないが、意識が働いていることを確認して安心しているようなところがある。
養老孟司の本の帯にあったことばについて、ちょっと考えたことがあるが、これ以上書くのが少ししんどくなったので次回にする。
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