『Dr.パルナサスの鏡』
テリー・ギリアムの映画『Dr.パルナサスの鏡』を見た。テリー・ギリアムの映画で描く世界はゆがんでいるので、なかなか説明がしにくい。見たらわかるというものではないし、見なければさらに内容を伝えようがない。そういう映画を作るのがテリー・ギリアムである。
初めて見たのは『バンデットQ』という映画で、いたく感銘した。見たこともないタイプの映画だったからだ。傑作だと思う。ショーン・コネリーが出ていた。つぎに見たのが『バロン』で、バロンは男爵のことである。『ほら吹き男爵』の話はご存じだろうか。私は子供の時に読んだ。大人になってからも読んだ。お気に入りの話である。その話を元にして映画にした。
今回見た『Dr.パルナサスの鏡』は旅芸人一座の出し物であり、パルナサス博士が見せるそれぞれの人の心の中の欲望の世界が描かれる。博士は不死であり、実年齢は1000歳なのだが、悪魔との賭けにより不死なので死ねないのだ。一座は博士ともうすぐ16歳になる博士の娘・ヴァレンティーナ、小人のパーシー、娘を密かに慕う若い団員のアントンの四人。じつは悪魔との契約で16歳になったら娘を悪魔に渡さなければならないことになっている。その日が迫っているのに、娘にそのことをいえずに悩む博士に、悪魔がさらなる賭けを申し入れてくる。
そんなときに一座が通りかかった橋で、首をくくられて死にかけた男が彼らに助けられ、一座に加わることになる。怪しげなこの男をめぐってドタバタ劇が展開していく。この男を演じるのがなんと四人の俳優。ヒース・レジャー、ジョニー・デップ、ジュード・ロー、コリン・ファレルと、それぞれ主役級の四人である。男の悪魔的な面やいかがわしい面、正直な面など、その性格によって顔が変わるのである。
テリー・ギリアムの奇妙な世界を久しぶりに楽しんだ。
それとは別に『マーベラス』というプロの女殺し屋(マギー・Q)が活躍するアクション映画も見た。なかなか面白かった。共演がマイケル・キートン、サミュエル・L・ジャクソンで、殺伐とした殺戮シーン満載の映画であった。マギー・Qはスリムで美人なのでアクション俳優に見えないが、なかなか格闘シーンは見事である。
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