関係
森本哲郎の文章から、
いろいろなものごとを関係づけること、さまざまな要素を組み合わせること、一見、異質なもののように思える事象の中に何かの脈絡を見つけること、それが、そもそも知性の基本的作業である。「知性」のことをギリシア語でロゴスというが、ロゴスのもとの意味は、「関係づける」ということである。そのようなロゴスの働きによって、やがて人間は因果関係を追い求めるようになった。この世界は、すべて因果関係によって組み立てられている。だから、世界を知るということは、その因果関係を追求するということにほかならない。
これはバカのひとつ覚えのように、私が何度もこのブログで取り上げた、デンマークの詩人実存哲学者、キルケゴールのことば、
人間は精神である。しかし、精神とは何であるか?精神とは自己である。しかし、自己とは何であるか?自己とは、ひとつの関係、その関係それ自身に関係する関係である。あるいは、その関係において、その関係がそれ自身に関係するということ、そのことである。自己とは関係そのものでは無くして、関係がそれ自身に関係するということなのである。
ということばと通底していると思う。
因果の鎖を解き明かそうとすることこそが、ものを知るということなのだ。知ることから識ることへ、新しい次元への道、レベルアップへの契機はそこにある。あたりまえに見えていたものが輝き出す。世界が一皮めくれる。
« 明日は起きられるか | トップページ | 動かす »
« 明日は起きられるか | トップページ | 動かす »
コメント