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2024年10月24日 (木)

すぐではないが

 中国でしかつくっていないものがいろいろあって、それを戦略物資として使うというのが中国の常套手段であることの深刻な危険性に世界はようやく気づかされている。レアメタルにはいろいろな種類があるが、かなりのものが中国依存度が高い。医薬品もそうだ。ドイツはつい二十年ほど前までは医薬品の原料の三分の二は自国で生産していたが、いまはほぼ100%が中国依存になっており、一部の供給が滞っていることで薬局の棚の一部が空になっているのだという。それはドイツだけではなくて日本も似たようなものだが、今のところドイツほどではない。それでも最近ジェネリックを作っている製薬会社でのトラブルが続いているのは、単にその製薬会社の管理の不備だけではないのではないかと勘ぐってしまう。中国は価格をとことん下げて、寡占化して競争相手を立ち行かなくしてしまい、それを戦略物質として使うという手法があんがい効果的であることを学んだのだろう。たしかに困った各国はそれぞれ対策を講じていくから、やがてその強みは消えてしまうが、材料には事欠かないほど中国にはたくさん手駒がある。これがだめなら今度はこれ、というわけだ。

 

 こんなことをしていれば世界の信用を失うのだが、中国という国は信用というものを屁とも思わない国に見える。それが強みの国なのだ。仁義も信義もあったものではない。都合が悪くなると、まだ我が国は発展途上国だから、などという。あの習近平の代理スポークスマンの朱健榮のよく言う言葉だ。そういえば、「中国が今すぐに経済破綻して崩壊する、といわれているけれど、いつまで経っても崩壊していないではないか」というのが、最近の決まり文句だが、中国はどう見ても少しずつ傾いているように見える。いま大丈夫だからずっと大丈夫、などというのは願望でしかない。中国の不調は社会不安の形で表れる。子供を襲う事件が続いている、などというのがその典型だろう。余談だが、闇バイトというのも、私には日本に社会不安をもたらすための何かの工作に見えている。

 

 過剰生産したものを他国の産業を無視して怒濤のように売りつけていくという手法は、世界から怨嗟を呼び込むことになり、ひいては商売がやりにくくなることになる。アメリカとともに、ゆっくりと衰退していくのではないか。これは私の妄想的願望か。

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コメント

こんにちは
アメリカと中国は”経済を武力にした”感があります。
特に中国は自分の国は世界でも製造コストが安いというのを武器にして様々ものを自家薬籠中の物にして、それを戦略として交易しています。ただ、今まではそれで良かったのでしょうが、最近は中国でもコストが上がりがちで、ジェネリック薬品もインドなどにシフトしているといいます。
ただ大事なのは多少高くてもそういう戦略的なもの(例えば薬品や食料などです)は自前で賄えるにすることこそが経済安全保障だと思うのですが・・・。如何でしょうか?
では、
shinzei拝

shinzei様
まったくその通りだと思います。
世界が共通のルールを守っているという前提でグローバル化が進み、コストの安いところが主に生産するということでバランスをとってきましたが、戦略物資にするなどというのはとんでもないことで、そもそも世界を相手に貿易をする資格に欠けると思います。
アメリカも中国も、力を頼んで自己中心的なルールでやってきましたが、中国のやり方は目に余るものがあります。
防衛のためには全部とはいわず一部だけでも自国での生産を維持する必要があるでしょうね。

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