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2024年11月21日 (木)

『Fukushima 50』

 映画『Fukushima 50』を見た。以前見たつもりでいたが、初見だった。東日本大震災、そしてそれにともなう大津波による福島第一原発事故は、人間の想定をはるかに上回る地震が直接の原因とは言え、地震が起きる前の対策、そして起きてからの対処を考察すると、多分に人災の面もあるのではないかと私は思っている。

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 映画では地震後の第一原発の現場にいた吉田所長たちの、原発の暴走を命がけで食い止めようとする姿を中心に描いている。それに対して官邸からのさまざまな思いつきや、国民に言い訳にするための問い合わせが、東京電力本社(映画では実際に即して本店といっていた)を通して矢のように押し寄せる。それは現場を混乱させ、遅滞させる行為であることであるが、「命令である」という名の下に現場責任者の足を引っ張り続ける。現場の置かれている状況をほとんど考慮することのできない首相(もちろん菅直人のことである)以下の官邸と、その防波堤になるべき東京電力本社の無能無責任ぶりは、見ていてはらわたが煮えくり返るようである。本社が送り込んだ、失われた電源の補充用の電源車は現場に必要な電圧と違ったために使い物にならなかった。そんなことも確認できない、なんというお粗末。これは深刻な失態である。

 

 あまつさえ、事故現場にヘリコプターで乗り込む首相。それがどれほど愚かなことかこの男は理解できなかったのだ。どこの国で総責任者である国のトップが、まさに破綻寸前の原発という、もっとも危険な現場に赴くなどという行為をするだろうか。何かあったらその後だれがどうするのか、決めていたのかどうかすら不確かだ。映画では官房長官が万一の時の権限委譲を提言していたが、首相は返事をしなかった。たぶん事実なのであろう。叱咤激励してみせるというパフォーマンスしか考えていなかったのだと思う。

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 映画に描かれていたことのほとんどが、まさにその当時、テレビで時々刻々報じられるニュースを見ながら私が想像していたとおりであることに驚かされた。自分の想像が怒りから過剰になっているかもしれないと思っていたのだが、思っていたとおりだったからだ。ベント開放、海水注入など、打つべき手を取ろうとしているたびに「待て!」を繰り返し、手遅れになってから「まだか、遅い」と叱責を繰り返している愚かさ。現場責任者だった吉田所長が事故後何年もせずになくなったのは、死因である癌によるものだけではないと、誰もが思っているだろう。

 

 原発事故が起きなければ、そして対処がもしうまくいっていれば、「さすがに日本の原発は大したものだ」「原発は安全だ」と評価されていただろう。それがどうしてこんなことになったのか、地震のせいにするだけで、その責任を誰かがとったということを未だに私は知らない。

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コメント

こんにちは
この映画はアマゾンからDVDを取り寄せて観劇しましたが、確かにあの原発事故という”人災”がどのような経過で、周りの人たちがどんな動きをして起こったか?ということを描いていました。
しかし私見では、トモダチ作戦を繰り広げたアメリカを救世主扱いするような描き方が少し鼻につきました。まあ、あの地震で色々骨を折ってくださったのはアメリカだったのですが・・・。
最近ようやく試験的にデブリを取り出し始めていますが、果たして私が存命の間にこの作業は終わるのか?と絶望的な気分にさせられます。
では、
shinzei拝

shinzei様
たしかにトモダチ作戦の描き方はいかにもとってつけたようなものでした。
もう少し描きようがあったのに、という気はしますね。
燃料デブリの取り出しは、そもそも不可能だと最初からあきらめているのではないかと勘ぐりたくなるような不手際続きです。
今のままでは五十年以内にできるとは思えませんし、百年だっても無理かもしれません。

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