参考書
息子や娘の高校時代の教科書や参考書の大方はとっくに処分してしまったけれど、一部の参考書や問題集などは残してある。特に古典と漢文は勉強し直そうと思って残しておいた。他に歴史や生物などの資料集などは案外中身が濃くて捨てがたい。数年前からときどき古典を読み囓っているので、その古典の参考書を取り出してきて久しぶりに眺めている。読み終わったら捨てることに決めていて、何もする気が起きないときに数ページずつ読んでいるが、いろいろな古典のエッセンスが集められているから、それぞれを一から読むよりも簡便である。和歌についても限られた数のものだけが取り上げられている。なじみのある有名なものばかりなので、親しみやすい。西行や実朝の歌なんかにあんがいわかりやすくて気持ちの見える歌があって、自分でも意外である。『奥の細道』や『平家物語』などを、判らないなりに最後まで読みとおしたのが良かったらしい。
思えば参考書をこんなに丁寧に、しかもすべてを読むなどということを、生まれて初めて自分がしていることに、苦笑している。もっと若いときに勉強しておけば良かった。世界がもっと広がっただろうに。
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