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2024年11月 7日 (木)

年内に行きたいところ

 年内に行きたいところは数々あるけれど、バラバラだったさまざまなことが、にわかに関連し始めた場所があるので、とにかくそこに行きたい。まず、先日義仲寺(ぎちゅうじ)と三井寺(みいでら)に行った。ともに大津である。琵琶湖周辺はこのところいろいろ歩いていて、湖東三山、さらに愛知川(えちがわ)沿いに遡っての永源寺周辺やさらに山中の木地師の里などは思いで深い地となった。そうして久しぶりに放送されたブラタモリでの、大津から京都へ行く東海道五十三次ではなく、別れて大阪へ向かう五十七次を訪ねる旅は面白かった。これも、見方によればまたもや基点が大津ではないか。

 

 大津から伏見、宇治、そして枚方(ひらかた)から大阪への道は興味深い。石清水八幡宮も一度は訪ねたい。これは『徒然草』の五十二段「仁和寺にある法師、年寄るまで石清水を拝まざりければ・・・」が珍しく頭にあってのことである。さらに『平家物語』の宇治川の先陣争いには深く思い入れがある。また橋姫伝説(宇治橋の近くに橋姫神社がある)にも心が動かされたので、宇治には三年ほど前に行った。五十七次はこの宇治川に沿って南下する。宇治川はやがて淀川となる。琵琶湖を源としているのだ。ブラタモリでも紹介されていたが、枚方の「喰らわんか舟」のことは、落語の『三十石舟』で知っている。

 

 先日、せせらぎ街道の紅葉を見るために立ち寄った明宝という場所は、佐佐木信綱の名馬・磨る墨の里である。信綱が宇治川の先陣争いで梶原源太景季に先んじて向こう岸に到着して「我こそは宇多源氏の末裔・・・」と名乗りを上げたのは、佐々木氏は近江が本拠であったからだ。信長に滅ぼされるまで、近江は長いあいだ佐々木氏の支配する場所であった。そういうこともだんだん判ってきた。

 

 そうこうしているうちにたまたま白洲正子の『石の寺』という短い文章で、繖山(きぬがさやま)や、そこにある観音正寺のことが記されているのを読んだ。安土に近い。聖徳太子にゆかりのある石馬寺とその寺にまつわる話もこの文章に詳しい。あるのはしっていたので、湖東三山を歩くときに立ち寄りたいと思っていたのに、寄るまのなかった場所だ。ここには何とか年内に行きたいものだと思っている。

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