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2024年12月 4日 (水)

無知

 無知というのは、単に知識が欠けているということではない。そうではなくて、無用の知識が頭に詰まっているせいで、新しい情報入力ができない状態を「無知」と呼ぶのである。

 

 これはロラン・バルトの定義だそうで、これを紹介してくれた内田樹は「私もその通りだと思う」と賛同している。

 

 多くの情報源をもち、それによって多量の知識を持って、自分はあなたよりもものを知っている、と上から目線で語る人がいる。あまりものを知らない私としては、畏れ入るしかないのだが、上から目線であることによる感情的な反発を除いても、その人に敬意を表する気にならないことがある。そういう場合、たいていその人は他人が自分と違う見方をしたときに、まず否定的な反応を示す。なるほどそういう見方もありますね、という受け止め方はしない。知りすぎていることによる「無知」というのはそういうことかと思う。

 

 ソクラテスの「無知の知」を引き合いに出すまでもなく、自分は何でも知っている、と思ったときに、その人は知的ではなくなるということだ。月並みな言い方ながら、自分はまだまだ無知であると自覚する人が知識人だと思う。私の場合はそういうレベルではなく、ほんとうにものを知らないから論外であるが。

 

この三日間(温泉三昧の期間)で読了した本

 

養老孟司『人生の壁』(新潮新書)

 

谷原つかさ『「ネット世論」の社会学』(NHK出版新書)

 

内田樹『だからあれほど言ったのに』(マガジンハウス新書)

 

 まだ五冊ぐらい持参しているが、さすがにあと一冊か二冊読めれば十分か。

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宿の部屋から見た景色。窓が開かないから窓越しである。寒い。

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コメント

何時ながらの旅
読書量 見識 羨ましい
一緒に呑みたい😅
帰り 寄ってくれると 嬉しい🤣

周大兄様
私も大兄と飲みたいのですが、今回は山形、富山と予定を決めてしまい、来週にはいくつかしなければならないことがあります。
現在、やたらと出歩きたい気分ですので、たぶん年内にそちらへ行くことになると思います。
改めて連絡します。

楽しみにお待ちしております。
陳舜臣関係歓迎します。

若干冊ですが持参しましょう。

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