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2024年12月 6日 (金)

象潟の坩満寺(きさかたのかんまんじ)

思い立って象潟の坩満寺に立ち寄った。駐車場に車を停めたときには、小降りにはなっていたものの雨が降っていたが、しばらく様子を見ているうちにやんだ。

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坩満寺の入り口。右手に駐車場のスペースがある。雨が散り敷いた落ち葉をぬらしている。石標の坩満寺の坩の字が削られているのはどうしてなのだろう。

 

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坩満寺と言えば芭蕉の『奥の細道』で有名で、芭蕉翁の像もある。

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芭蕉がこの象潟で詠んだ句。

  象潟や 雨に西施が ねぶの花

西施は中国の戦国時代、呉越の戦いの話に登場する絶世の美女である。ねぶの花は合歓(ねむ)の花のこと。初夏に咲く。雪交じりのいま、芭蕉が梅雨時に東北を歩いたのか、わかった気がした。秋に歩いて景色を楽しんでいたら、冬になって雪に降りこめられて旅が続けられなかったであろう。彼は西行の後を慕って奥の細道を訪ね歩いているが、西行は本州の北限の青森まで歩いているのに、この象潟までで南下しているのも、同行の曽良の事情もあったが、やはり冬になるのを危惧したのではないか。そんなこと、芭蕉を知る人には常識なのかも知れないが。

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西施像ももちろんある。

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あとでぐるっと庭内を廻ってから、後ろ姿の西施の姿も撮った。像だと太って見えることが多いが、西施のイメージは細めの美女である。この像はそういう意味であまりイメージを損なっていないように思える。

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庭内の松の周りの水たまりが、あたかも海の中の松のように感じられた。

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象潟は、芭蕉が訪ねたころは松島に並ぶ、海に点在する小島が美しい景勝地であった。のち地震で隆起してこのような景色に変わってしまったが、名残はある。

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六地蔵。濃い緑の中の赤が目を引く。

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苔むした仏様は自然に帰りつつあるように見える。

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ここにも濃い緑の中の赤があった。

坩満寺の山門の彫物が素晴らしかったので、次回その写真を掲載する。

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コメント

でんでん大将様
ご丁寧に畏れ入ります。
後ほどメールで私の本名と住所を送ります。
坩満寺の字は変換まちがいかも知れません。
調べ直してみます。

ネットでは両方使われているようです。
写真をよく見たら、山門前の木標には蚶満寺となっていました。
たぶんそれが正しいと思います。

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