輿望(よぼう)の元
アメリカ国務省は、トランプ大統領の大統領令に基づき、すべての対外支援事業を中止するとともに、検討中の案件も中断を決めたという。
金持ちが金をばらまいているからこそ得られていた輿望のみなもとを打ち止めにして、どうするというのだろう。輿望とは世間の信頼、期待のことである。輿望など、一文にもならず、アメリカは損ばかりしてきたというのがトランプの世界観なのであるから、とうぜんなのかもしれない。
しかし、アメリカはばらまいた金以上のものを世界から回収していたのではないか。輿望というのはそういう効果があったのであって、ばらまかずに金をかき集めようとしても、そうはうまくいかないのがこの世の中というものだ。世界がアメリカ離れをしていくと、金もアメリカから離れていく。そんなことあたりまえではないか。ばらまいた方が得だった(アメリカ以外は世界中そう思っている)かもしれないと、あとで気がついて臍(ほぞ)を噛んでも取り返しは付かない。
集まった金をばらまいて、金を回すのがアメリカの役割だったのだ。自らその役割を下りてしまってどうする。本当に無意味でムダだったものだけを選別すべきではないのか。たしかに、国連というシステムを利用されて、ムダに中国に流れてしまった金がある。それに対する怨みがあるのは理解できないことはないのだが、そもそも中国という国を見誤ったのは、アメリカの責任ではないか。いままではそのつけを払ったのだと思えば良いではないか。
« 自分の物欲には畏れ入る | トップページ | 経験 »
「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事
- 細部がきれいに(2025.02.05)
- たくさん歩いたのに(2025.02.04)
- 今日は奈良へ行く(2025.02.02)
- 二日酔い(2025.02.01)
- わかっていたらやっていられない(2025.01.31)
« 自分の物欲には畏れ入る | トップページ | 経験 »
コメント