映画『散り椿』を見る
葉室麟の同名の小説を原作とした、時代劇映画『散り椿』を見た。主演の岡田准一は古武道を身につけているだけあって、体捌き、剣さばきがほんもので、それだけでも見応えがあった。
ところで葉室麟といえば、彼の小説の舞台が見たくて日田に行った。その時にお世話になった方に年賀状を書いたら返事をいただいた。またおいでくださいとあって、心が動いた。九州は遠方だから、他のところよりもなじみが少ない。それでも仕事も含めれば十回近くは訪ねている。とはいえまだまだ行きたいところはたくさんあるので、できれば年内に、四国と九州にはまた行きたいと思っている。今度は鹿児島を中心に走り回ろうかと思う。
葉室麟は九州在住だったから、九州が舞台の小説が多い。この散り椿は架空の藩が舞台なので九州とは限らないが、そう思って見ていた。藤沢周平が庄内地方の架空の海坂藩が舞台であることが多いのに似ている。
故あって妻とともに藩を離れていた男(岡田准一)が、妻(麻生久美子)の病死のあと、藩に戻ってくる。妻との約束を果たすためなのだが、藩では過去の人と思われていて、しかも戻るはずがないと思われていたこの男の目的がわからず、藩の内部に波風が立ち始める。この男がどうして藩を離れたのか、そのいきさつとなる事件が映画の進行とともに明らかになっていく。
男は妻の実家、いまは妻の両親も亡く、妻の妹(黒木華)と弟(池松壮亮)が暮らしている家に身を寄せる。男が動くごとに藩内が騒然となり、やがて男の目的が、もと友人であり、むかし妻と恋仲だった藩の重鎮(西島秀俊)を助けるためであることがわかってくる。藩を牛耳る家老(奥田瑛二)派との確執、新しい主君を迎えようとする中での藩内の権力闘争が激しくなっていき、ついに実際の武力衝突が起きてしまう。
絶体絶命の状況の中、男の豪剣が振るわれる。
東映の時代劇を見て育ったので、時代小説や時代劇映画が好きである。その期待を裏切らない映画であった。麻生久美子も黒木華も好きだし、もっと好きな富司純子が脇役で出ているのも嬉しかった。この人の和服姿は本当に凜として美しい。
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