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2025年1月 8日 (水)

映画『湖の女たち』を見る

 吉田修一の同名の原作をもとにした映画『湖の女たち』を見た。監督は大森立嗣、出演は福士蒼汰、松本まりか、福地桃子、浅野忠信など。

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 学生時代、日活映画が立ちゆかなくなりかけ、起死回生のために路線を日活ロマンポルノに変更した。そのころ、そのロマンポルノのさまざまな作品をリアルタイムで見た。この映画を見て、その時代を思い出した。この映画はある意味で社会派のロマンポルノという見方ができる。どちらをメインに表現したいのか、そして受け取る側はどちらをメインに受け取るのか。

 

 私は松本まりかという女優があまり好みではない。好みではないのは、たまたまいままで見てきた彼女の役柄からの印象が大きいが、そういう役柄が誰よりも彼女に似合うとも思う。彼女しか演じられない役柄を見事に演じているということは評価する。

 

 施設入居の寝たきり老人の殺人、人体実験をしたといわれる731部隊事件、薬害事件、それらが絡んでいるようないないような曖昧な展開が続いていく。何かを解明していくというよりも、起こった事をそこに提示してみせるという視点で物語は展開していく。そうして目星を付けた人物を徹底的に尋問して暴走していく刑事たち。

 

 思わせぶりな真犯人のほのめかしで映画は終わってしまう。すべてが絡まり合っているようでもあり、ただ出来事がたまたま並んで起きていっただけとも取れる終わり方だ。たしかなのは、この映画での松本まりかは猥褻であるということだけだ。屁理屈で愚考すれば、人間の業を描きたかったのか。そうとれないことはないが。

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