行列
マスコミやSNSなどで名前が知られた店の前で行列しているのを見ることがある。私は行列して待たされるのが嫌いで、そしてたぶん誰でもあまり好きではないと思うが、それでも列ぶのはそれ以上の何かが得られることを期待しているのだろう。そういう期待が大きければ私でも列ぶ。また、列ばなければ手に入らなくて、それがどうしても欲しければ列ぶだろうが、いまはたいていそこまでしなくてもいいものに列んでいるように見える。
先日は名古屋駅の高島屋の前で、開店を待つ長い行列を見た。何でもバレンタインデーのチョコレートを買うための行列なのだという。そういえば昨年もこの長い行列を見た気がする。ある店のチョコレートがお目当てで、かなり高価らしいがそれでもこれだけの行列ができる。渡す相手への思いはこれだけの苦労をしてこそ伝わるのだろう。ご苦労様なことである。あの店でこういう苦労をして買ったのよ、と相手に言えて満足であろう。
そのものの値打ちより、そこに列んで買ったと云うことの方が相手に対するアピールになる。自慢になる。最近はそういう形の自己アピールが大きな自己満足につながるようである。インフルエンサーというのはつまりそれを最初に発見してはやらせる人のことかと思う。みなが後に続けば、それは価値のあるもの、価値のあるお店と云うことになる。それが裸の王様であっても、みながもてはやせば中身は関係なかったりする。タレントなんてときにそんなものだろうとも思う。
« 飛鳥坐(あすかいます)神社 | トップページ | 犬山城を見に行く »
コメント