『マッドマックス フュリオサ』
映画『マッドマックス』シリーズの最新作、『マッドマックス フュリオサ』を見た。シリーズはすべて見ている。特にメル・ギブソン主演のものはすべて映画館で見ている。初めて見たのが『マッドマックス2』でこれがいちばんのお気に入りだ。衝撃的だった。もともとはオーストラリア映画で、今回の『フュリオサ』はオーストラリアとアメリカの合作となっている。もちろん監督はジョージ・ミラー。この映画は前作の『マッドマックス 怒りのデス・ロード』の重要な登場人物であるフュリオサを主人公とした前日譚である。スケールの大きさ、アクションの派手さはいままでの作品をさらに超えていている。現実世界をすっかり忘却してのめり込み、物語世界を堪能した。
いわゆるディストピア世界を描いたSF小説は数々ある。初めて読んだ、私も若者だった頃は、世界は進歩発展して善くなるものだと信じていたから、どうしてこんな悲観的な、絶望的な世界を描くのだろうと疑問に思ったものだが、いろいろ読んでいるうちに、その絶望的な世界での極限状態に追い込まれた人間の行動、底力(火事場の馬鹿力)のようなものの面白さに惹かれていった。どうしても弱肉強食、暴力的世界が描かれることになるが、そんな絵空事だと思っていた世界が、いま現前しつつある。
ユートピア世界を描いてもたぶんおもしろくない。みんな仲良く明るく楽しく暮らすのは理想だが、その世界にはあまりドラマは生じないからであろう。つまり、人はそもそもそのようなユートピアよりも、ディストピアを密かに願う者なのかもしれない。
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