うんざりしながらどっぷりはまる
知能や、ましてや金がたくさんあるかどうかとは違う、私なりの基準でのバカがいて、そのバカに世界は振り回されている。バカの特徴は、自分がバカかもしれない、と考える回路を持たないことで、それ故に論理で説得することが出来ない。そもそも自分の論理を持たない。論理だと思っているものを振りかざすが、矛盾だらけのものを論理とよぶことは出来ない。そういう者が力を持ってしまうのは、それを担ぎ上げ、祀り上げる者が大勢いるからで、レミングの集団と同じような行動に走る。
そういう自分がバカかどうかは、自分の基準に従ってではあるが、いちおう疑うようにしている。じつはバカかもしれないが、疑うことは出来ているからとりあえず良しとする。
テレビでは、次から次にやり玉に挙がってつるし上げされる話が続いている。ほぼ犯罪でしかないという話は論外だが、かなり古い話も蒸し返されていて、その時には別に特別とんでもない話でもなかったのに、今の時代の価値観から見れば非難すべきだ、とたたかれている。もともとそういう傍若無人で、人をたたいたり暴言を浴びせたりする人間は、ジョークにしても大嫌いなので、いま非難されて退場を余儀なくされてもどうでもいいことだが、かさにかかっている人間にも同時に虫唾が走ることがある。普段から辛口なら、よく言ったと思うけれど、みんなが言い出したから云うという輩は嫌いだ。
変に小理屈を言う割にミーハーである自分を自分で嗤っているが、つまらないテレビ番組を見るのは大概にしておかないと、おかしな影響を受けてしまう。他人と一緒になってシュプレヒコールを叫ぶのが何より嫌いなたちの筈なのに、つまらないことを追っかけて何をしているのかと思う。
それにしてもどうしてあんなに集団で感情的になり、コブシを挙げて叫び、興奮できるのだろう。そんな自分を自分で見てなんとも思わないのだろうか。恥ずかしくないのだろうか。そういうものをうんざりしながら眺め続けて、どっぷりはまっている自分がいる。たしかに私もバカかもしれない。
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