映画三昧・つづき
『ドミノ』
2005年のアメリカ・フランス・イギリス映画。ベン・アフレックが主演した2023年の同名のSF映画(とても面白かった)とは全く別の映画である。逃亡犯や仮釈放中で行方をくらました犯罪者などを捕まえる現代の賞金稼ぎ、バウンティ・ハンターの女性・ドミノ(キーラ・ナイトレイ)が主人公である。彼女は三人組に属し、リーダーをミッキー・ロークが演じている。映画は倒叙的に語られていき、彼女の生い立ち、バウンティ・ハンターになるまでの経緯が、取調官(ルーシー・リュー)に取り調べを受けている現在の状況に回想として重ねられていく。そしてある男の拘束に向かったことで、事態は思わぬ凄惨な状況へ追い込まれていく。キーラ・ナイトレイもミッキー・ロークも好きな俳優だし芸達者なので、全編が迫力と緊張感、さらに倦怠感にあふれているという不思議な映画であった。クリストファー・ウォーケンが出演していたり、ドミノの母親役でジャクリーン・ビセットが出ていたりと、おまけ付きである。
『プリズナー』
2008年のアメリカ映画。あたかも脱走映画みたいな題名だが、全く違う。子供を殺された母親(ミニー・ドライヴァー)と犯人(ジェレミー・レナー)が交錯するまでのいきさつが、セピア調のダークでかすれた映像を使って詳細に描かれていく。物語そのものは投げやりな救いのないものなのだが、それぞれに逃れようのない結末に向かって出会ってしまう。ラストはこの犯人に死刑が執行されるシーンで終わる。山場らしい山場もなく、ドラマチックな展開もないのに、少しもダレることなく最後まで画面から目が離せない。脚本、映像、俳優の演技、すべてが素晴らしいからであろう。
『修羅の剣士』
2016年の中国武侠剣戟映画。二三年前にWOWOWで放映された中国剣戟ドラマになんとなく似ている(とても面白かった)。ドラマの名前は忘れた。細かい展開はまるで違うのだが、心棒になる部分が同じに思えるのだ。もしかしたら原作が同じかもしれない。主人公よりも、主人公と戦いたくて修羅の道を突き進み、顔に異様な入れ墨までした剣士・燕十三(エン・シサン)がよかった。それほど評判になった映画とも思えないし、少しダレるところがあるが、つまらない作品の多い武侠剣戟映画としては、私は悪くないと思う。
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