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2025年8月 7日 (木)

『みをつくし料理帖』

 ぼんやりと時間を空費していると、そのときには時間がゆっくりすぎているように感じるのに、過ぎてみれば何かをせっせとしていた一日の方が長く思われ、無為の日はあっという間に過ぎたように思われる。何かをしたという記憶、それがあるとないで時間の長さが違う気がする。ここのところ時間が過ぎるのが早い。そして怖くなるほど、どんどん早くなっている。

 

 映画の『みをつくし料理帖』をようやく見た。高田郁原作のこの物語は、NHKの連続ドラマで見た。黒木華主演で、忘れがたい記憶に残るドラマだった。共演の森山未來は背筋の伸びた演技をする、私の好きな俳優で、このドラマでも素晴らしかった。黒木華はもちろん魅力的で、この主人公を演じるのは黒木華しかいないと思わせた。

 

 だから映画化されたときに主演が黒木華ではなくて松本穂香であることで、イメージが損なわれてしまうのではないかと思い、録画してあったけれど見るのをためらっていた。だから「ようやく」見たのである。松本穂香はゆっくりしたところが魅力的な女優で、好きである。心配することはなかった。この映画はこの映画なりによく出来ていて、感情移入してときどきうるうるしながら楽しく見ることが出来た。

 

 ほんとうは主人公の澪が意地をむき出しにして激しく敵に立ち向かう(もちろん料理によってである)シーンが原作にはあって、ドラマではそれがよく描かれていた。黒木華がそのような場面を演じると、彼女の優しそうに見える概観から、意外な迫力が生まれる。自ら自分を窮地に追い込み、そしてそれをはねのけていくその強さ。それがこのドラマの魅力の一つなのである。痛快なのである。映画ではその辺は描かれていない。それを描き出すとそれぞれの話ごとの映画作品をつくらなければならなくなってしまうからだろう。

 

 ちょっとだけテンションが上がった。本はあまり読めていないけれど、映画はそこそこ見ている。つまらない映画は見ながらうつらうつらする。見直したりしないで消去する。

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