『ロボット』
今日見た『世界文学への招待』の第七回の主要テーマは、チェコのカレル・チャペックの『ロボット』という戯曲であった。いまはどうか知らないが、私が若い頃はSFファンにとっての古典ともいえる作品で、20世紀の初めの頃に書かれている。とは言いながら、私はチャペックの代表作の『山椒魚戦争』共々内容は承知しているものの、きちんと読んでいない。だから今回の講義で物語の細部とそこに込められたチャペックの文明批評について知ることができて、大変勉強になった。すでに今日のAIの問題の先取りをしているところもあったのだ。
これも是非読んでみたいところなのだが、手が回らない。
映画も二本ほど見た。一本は『シリアナ』という2005年のアメリカ製作のエスピオナージ映画である。ジョージ・クルーニー、マット・デイモンが競演していて、細かい説明なしにどんどん物語が進んでいき、それを見ながら背景や経緯が次第にわかってくるという映画である。なかなか見応えがあった。
もう一本は『クロワッサンで朝食を』というフランス・エストニア・ベルギー映画。主演は往年の大女優ジャンヌ・モロー。エストニアで、世話をしていた母が死に、することがなくなったアンヌ(ライネ・マギ)は、エストニア生まれで長年パリで暮らし、いまは一人暮らしの老女フリーダ(ジャンヌ・モロー)の世話をする仕事を持ちかけられる。迷った末に思い切ってパリに赴くアンヌだったが、想像を絶するわがままなフリーダに翻弄されることになる。もちろん次第に心が通い合うようになるというお決まりの話ではあるが、その辛辣さは見ていて切ない。フリーダもアンヌも切ないのだ。なかなかいい映画だった。ジャンヌ・モローが自分勝手な老女の醜さをことさらに表現していて、その勇気に敬服させられた。しかしそれでいてどこかかわいらしさをのぞかせる、やはり名優である。
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