『異界を旅する能』
暑いのでなかなか集中して本が読めない。そんな中で、保田登『異界を旅する能』(ちくま文庫)は思いのほか面白かったのでなんとか読了した。すでに少し前に紹介したが、前半部はもちろん能、とくに夢幻能についての多面的な紹介で、もし能に全く縁がなかった人でも、興味を持つようになるのではないか。お薦めの本である。ただ、こういう世界に多少なりとも感応する力が必要でもあり、もともと日本人に備わっていたそういう能力を、現代人はほとんど喪失しかけている。それを回復させてくれる本だ。後半は、異界を感応する人、この本では、ワキという存在の体現者として芭蕉が取り上げられている。彼が古来からの歌枕の場所を訪ね歩き、西行の跡を偲んで旅をしたこと、また、平家物語の跡を訪ね歩いたことなども、時空を超越した「ワキ」の役割の体現そのものであろう。
旅というものを改めて考えさせてくれた。たまたま放送大学の特集番組で、北海道と北東北の縄文遺跡について取り上げられていた。主なものは私も旅のついでにすでに訪ねたことがあるが、それをメインテーマに訪ね直そうかと思って、いま地図を眺め直している。もちろん、まず青森の三内丸山遺跡からだろう。ただあそこには夏行ったことがあって、その広さと暑さに参ったことがある。もう少し涼しくなってからにしようか。いまルートを考慮中である。関連の博物館も訪ねたいと思っている。そういう気持ちになるほど体調が回復してきた。
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