『ビーキーパー』
『トランスポーター』でのジェイソン・ステイサムとの出会いは強烈だった。その渋い声と切れ味の良いアクションに引き込まれた。どんなカルト映画でも、彼が出ればおもしろい映画になってしまう。しかしこの『ビーキーパー』(2024年アメリカ・イギリス)は久しぶりに『トランスポーター』を見た時の興奮を思い出させてくれた映画だった。
ビーキーパーとは養蜂家という意味で、この映画では文字通りの意味と、国家を蜂の群れと見なしてそれを守る役割を密かに守る者、という意味の闇の存在も意味している。そういう役割をこなしていて、今は引退して養蜂家としてひっそりと生きていた男が、恩人を死に追い込んだ巨大詐欺組織に単身で挑み、超人的な戦いをしていくという痛快な物語だ。恩人とは、元教育者で彼を温かく迎え入れてくれた女性であり、善意の人だった。その彼女がネットの詐欺(もうけようとしたのではなく、フリーズしたパソコンを復旧するための行動が悲劇をもたらした)によってすべてを失う。自らの財産だけではなく、彼女が管理していた団体の巨額の資産も失ってしまい、絶望の果てに自殺してしまうのだ。
ビーキーパーの行動は過激である。社会の規範は全く無視していく。彼は常人ではなくて超人なのである。そして巨悪の背後をたどる時、そこに見えてきたのはとんでもない超大物だった。悪い子孫を残しそうな存在と化した時、ビーキーパーは女王蜂すら排除することがある。不可能としか思えない不可侵の相手に挑むビーキーパーの戦いの結末やいかに。恩人の娘がFBIの捜査官で、彼女が狂言回しの役となっているが、どうもあまり必要な役に思えなかった。彼女はFBI捜査官として、正義と法のどちらを優先させるかを問いかける役割を担っている。こういうところがアメリカ映画の嘘くささで、言い訳めいているつまらないところだ。
ここまで破天荒な展開だと好みが分かれるかもしれないが、私はとても痛快でおもしろかった。それは詐欺、特に最近の理不尽な特殊詐欺、に対しての腹のそこからの怒りの感情があるからだろう。
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