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2025年11月10日 (月)

『室町無頼』

 15世紀半ば過ぎ、日本は室町時代、足利義政の室町幕府は民の実情を全く無視した苛烈な政策で、京の都は疫病の蔓延、夜盗の横行などにより、餓死者が路上に累々と転がっているという悲惨な状況だった(という物語の設定)。個別の一揆はその都度潰されていたが、それを糾合して大きなうねりになっていったというのがこの物語である。

 

 主演の大泉洋が楽しそうにその一揆を成功させる首謀者で凄腕の武芸者を演じている。それがそれらしく演じられるたのは、周りがそれを支えているからであろう。共演は堤真一、柄本明、松本若葉、長尾謙杜、北村一輝、中村蒼など。私は初めて見たけれど、長尾謙杜が猛烈な戦闘シーンをみごとにこなしていたのが印象に残った。

 

 一揆の規模の大きさが良く表現されていた。たいてい話ばかり大きいのに映像ではそれほどでもないのを見せられることが多いが、今はCGもよくできているから迫力満点だった。民衆の悲惨さを繰り返し繰り返し見せられたのは物語の流れとしてよくわかるのだが、その事態を生み出した為政者側の足利義政(中村蒼)や名前は忘れたが北村一輝などの存在感が希薄で、それに対する憎しみがぼやけてしまい、映画の厚みを持たせることができていないのが残念だ。原作ではこの時代が借金経済というシステムの常態化で、それによる収奪が民衆を二重三重に苦しめたことが背景にあることを描いているらしい。だからこの映画でも、証文を焼き捨てるということが最終目的とされている。そのことが私の理解力がないせいもあるのだろうが、映画からはあまり強く認識できなかった。

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