『新編 日本の面影』を読み終える
ラフカディオ・ハーンの『新編 日本の面影』(角川ソフィア文庫)を昨晩読み終えた。小泉八雲とせずにラフカディオ・ハーンとしたのは、この本が出版された時期にはまだ日本に帰化していなかったからだ。この翻訳の原本である『知られざる日本の面影』がアメリカで出版されたのは1894年、帰化が認められて小泉八雲に改名したのは1896年である。
もともとは序文(これが素晴らしい)も入れて全27編が収められているが、この『新編 日本の面影』ではそのうちのその序文も含めて11編を収める(一部は抄訳)。訳者の池田雅之が特に日本人にハーンの思いをともにたどり、共感してほしいものを選んである。私は最後の『さようなら』を読んで、感動で胸が熱くなった。半可通の日本びいきなどではなく、ハーンは日本人以上に日本を、そして日本人を愛し、そして日本が西洋化して変貌していくことに心から危惧を覚えているのだ。
この本が出版されたのは、西暦2000年で、それから15年後、続編にあたる『新編 日本の面影Ⅱ』が出版されている。前回では収録できなかった10編が収められている。すでに取り寄せているので、少し間を置いてから読むつもりである。小泉八雲が松江に滞在していたのはわずか二年足らず。それなのに、この濃厚な文章が残せるのは、彼がどれほどの優れた感性と知識を持った文章家であったのか、それを思わせる。
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