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2026年1月 2日 (金)

『小泉八雲 今、日本人に伝えたいこと』

 池田雅之『小泉八雲 今、日本人に伝えたいこと』という本を読了した。小泉八雲に興味を引かれたのは、もちろん朝ドラの『ばけばけ』がきっかけのひとつであるけれど、それ以上にNHKEテレの『100分de読む『日本の面影』』という番組を視聴したからである。そこでアマゾンで調べて、その『日本の面影』、さらに『日本の面影Ⅱ』(この本には小泉セツの『思い出の記』が収録されている)、『小泉八雲 日本美と霊性の発見者』(この三冊は角川ソフィア文庫)、そして今回読んだ『小泉八雲 今、日本人に伝えたいこと』(平凡社新書)の四冊を取り寄せた。めでたくすべて読了して、私のいささかお粗末な能力レベルとしては、おおむね小泉八雲について満足のいくところまで知ることができたと思っている。

 

 『ばけばけ』を楽しむための副読本としてなら、『日本の面影』の二冊を読めば十分であろう。『小泉八雲 日本美と霊性の発見者』はその『日本の面影』の解説と小泉八雲について記した本だ。小泉八雲そのものについて知りたいのであれば、今回読んだ『小泉八雲 今、日本人に伝えたいこと』がさらに詳しいが、著者の池田雅之が発表した論文や八雲に関する文章を集めたもので、評論文であるから、こういう文章に慣れていないと読みにくいものもいくつかある。

 

 今回読んだ本では、八雲がマルチ・アイデンティティの持ち主であるという指摘がされている。言っている意味も詳しく論じられているからわからないことはないが、アイデンティティがマルチである、と言うのは少し違和感を感じた。しかしその視点で見れば、彼の日本文化の受容の仕方が理解できないことはない。それよりも、クレオールについての言及が目新しく感じた。クレオールを説明しようとすると難しい。特に日本人には理解しにくいかもしれない。もともと中南米の混血の人(白人も黒人も含めて)を指したが、彼ら独特の国籍不明の独特な言語や、生み出した文化や文学、音楽などすべてを指していることもある。たまたま放送大学の『世界文学への招待』という講座でクレオール文学の講義を見たので、多少は理解できた。それに友人とキューバに行ったことがあり、そこで見たこと感じたこと知ったことも助けになっている。

Dsc_1317_20260102071001松江にて

 小泉八雲の生い立ち、遍歴、そして彼の性格がその作品にどう反映されているか、池田雅之の考察が詳しく書かれている。それ以上に、小泉八雲が西洋で、どう評価されてきたのか、今はどうなのか、また海外の日本研究者から小泉八雲がどう評価されているのかがかなり詳しく書かれている。八雲についてのこちらの視点が定まると、その評価している当の研究者の視点もみえた気がした。

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コメント

暖かく穏やかに年が明けましたね。

ブログは毎日拝読させていただき有難うございます。
いつも読み逃げで、申し訳なく思っております。

小泉八雲は、「ばけばけ」以前から何となく興味を持っていました。
セツについてはほとんど知らずでした。
『日本の面影』の二冊、図書館にあったら借りようと思います。

今年もどうぞよろしくお願いいたします。

hikobae様
おめでとうございます。
『日本の面影』が図書館にあるといいですね。
もともとのラフカディオ・ハーンの原作は『知られぬ日本の面影』という題で直訳があるようです。
ただかなり原文は技巧的で読みにくく、当然直訳したものも読みにくいらしいです。
この『日本の面影』は意訳の抄訳ですが、読みやすいです。

私も貴ブログは更新があれば必ず拝見しております。
こちらこそ今年もよろしくお願いします。

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