妄想的陰謀論
大鹿村界隈の旅が一段落し、次に訪ねたのは茅野市にある尖石縄文博物館だった。この博物館の展示物は素晴らしい。むかし見たときよりも館内が広くきれいになっていたし、展示されている土偶や土器が完全な形のものも多く、美しい。多少なりとも興味のある人はいちど訪ねることをお薦めする。さは去りながら、旅の報告は一息入れることにして、今回は妄想的陰謀論を少し書いてみたい。原油高についてである。
アメリカとイスラエルによるイラン攻撃により、ホルムズ海峡が通行困難となって原油が高くなった。これを、原油を高止まりさせるために仕組まれたものではないか、と考えるのである。石油利権は一部の国に限られている。原油の値上がりで利益を上げるのはどこか。アメリカであり、ロシアであり、石油利権を持つ会社である。アメリカのシェールオイルは採掘コストがかかるから原油の価格が低いと採算がとれない。原油高は大歓迎である。コストがかけられればいままで採れなかったものまで採掘することが可能になる。
その原油高がEV車の停滞と前後して起きていることも注目点だろう。EV車によってガソリン需要が減少すると原油価格が下がりかねない。それが思いのほかにEV車が伸び悩んでいる。ここにも何か仕掛けがあるのかもしれない。目的はまずEV化に先行している中国を叩くことである。EUの自動車メーカーもEV化を急速に進めていたが、国家の保護のもとに中国が安価なEV車で攻勢をかけてきたから勝負にならない。中国はレアアースなどを戦略物資として世界を牛耳ろうとした。そのレアアースを最も必要とするのはEV車である。その中国のはしごを外そうという仕掛けがあるに違いない。
そういう仕掛けの背後にユダヤ資本がある、というのが陰謀論の定番で、だからユダヤを欧米がここまで強力に支持するのである。ナチスによるホローコーストを反省してイスラエルを支持する、などというのは表向きで、イスラエルを利用して原油価格をつり上げ、中国やインド、日本や韓国、東南アジアにダメージを与え、自らは膨大な利益を得る、という陰謀が進行している。だからネタニアフは強硬でいられるのだ。
二十世紀は石油の時代で、二十一世紀は自然エネルギーと原子力の時代 かと思っていたら、東京電力の大失態(対策を打っていれば電源喪失は起こらず、あの事故は起こらなかった。地震で原子炉が壊れたわけではないのである)により、原子力に対する信用が失われた。石油や天然ガスに頼る状態が維持されてしまった。しかしロシアなどの増産により価格が下がってしまったから、その価格をつり上げる必要が生じた。直接的に誰かが描いた図式かどうかわからないが、密かに願望する者が背後で動いていることはあるのではないか。
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