雑感
繰り返し報じられている磐越道のマイクロバスの事故は、いろいろ当事者ごとに食い違う話があって、マスコミは食い違うことそのことを喜んで取り上げているが、どちらかがウソをついているか勘違いしているだけのことで、いずれわかることだ。それよりも、逮捕された運転手が、ゆるいカーブを回りきれると思ったけれど曲がりきれなかった、と説明しているらしいが、それならなぜブレーキ痕がないのだろうか。曲がりきれないと思ったら誰でもブレーキを踏む。曲がりきれないのにブレーキを踏まないでぶつかるというのはあり得ない。スピードも、制限速度80キロのところを90から100キロで走っていたと説明しているらしいが、あの道路でそのくらいのスピードは、制御できないスピードではない。この運転手は、その報じられている言い訳だけでもつじつまが合わず異常に感じられる。やはり認知能力に問題があったのだろう。
この数日、録画してあった放送大学の特別講義(アーカイブからの再放送)をお勉強している。『大統合自然史』の第一シーズン六回と第二シーズン五回で、第一シーズンでは宇宙の創成と進化、素粒子論と物質、生命発生の謎、その起源まで、最先端の科学情報が紹介されていた。第二シーズンでは視点を変えて、地球と太陽系、その惑星のそれぞれの違いの由来から、地球の特異性、その四十億年あまりの歴史が語られていく。そしてその地球史と人類史が重なっていく経緯が南極での研究や、年輪から読み解く気候史などと関連させて語られていく。たいへんおもしろくお勉強させてもらった。第三シーズンが来週くらいから再放送されるので楽しみだ。
さらに四十年ほど前のレヴィ・ストロースが日本で行った講演(フランス語)、『人種と文化、日本から学ぶもの』も見た。フランス語は全くわからないが、字幕がある。彼の語り口は極めて明晰で、自分の思い、考えたことを伝えたいという熱意がひしひしとわかる。もちろん集中しているつもりでも、意味を理解するにはこちらの能力不足もあるから一部しか受け取れなかったが、感動的な講演だった。わからないなりに彼の本を読んでみたい気がした。たしか『悲しき熱帯』だけは読みかじった記憶がある。
ついでに『エーリヒ・ケストナーとその時代』というドイツ文学者(名前は忘れたがどこかの教授)の講演も見た。これはひどかった。ケストナーの『飛ぶ教室』くらいは昔読んだことはあるが、そもそもこの講演では何を伝えたいのか、何を講演者はケストナーについて考えたのか、それがさっぱりわからないままであった。ケストナーの個人史をただ嬉しそうに語っていただけで、ケストナーがドイツの二つの対戦の中で何を考え、何を表現しようとしたのかがわからないまま終わってしまった。なんという空疎、時間の無駄であったことか。腹が立つ。伝えたいもの、その内容も熱意もないのに、これでどこかの大学の名誉教授というのだから笑わせる。
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