もっと早く知っていたら・・・
高校生時代(遙かなむかし)、最も苦手な科目は世界史と古典であった。西洋式に言えば、世界史と古典に嫌われていた。私の頭の中に、世界史や古典の知識は全く入ってくれなかった。私のバカの壁であった。
さいわいあるきっかけがあって中国に興味を持ち、のめり込んでいくうちに、中国学の泰斗である宮崎市定の本に出会い、その面白さに惹かれていき、そこで『アジア史概説』という素晴らしい本を読んだ。歴史とは何か、この本によって教えられたことは多い。その中に
「歴史の進行にとって最も重要な要素は民族、土地とともに相互間の交通ということがある。一地域に成立した民族はその血縁的あるいは歴史的に祖先から受け継いだ稟性をもって行動し、これをめぐる自然的環境がまた彼らの行動を啓発し、制限することが多いものであるが、しかし歴史はそれだけによっては動かされない。むしろ外界との交通が重大な作用を及ぼすものである」
「現在、地上の人類の中で、いちじるしく進化の遅れた人種は、長い歴史時代において常に世界交通の圏外に放置された民族である。・・・彼らの知的後進性は世界の交通から除外された文化上の無刺激性にもよるものである」
歴史は、文明は、交流によって進化するものだ、ということを、この本はユーラシアの交流を軸に詳細に展開し、記述していく。強烈なインパクトを受けた。ある国や地域の歴史という視点で描かれた歴史ばかりを読んできたが、この本には新しい視点を与えられた。
いま、Eテレで、『三ヶ月でマスターする世界史』という番組を見ているが、その番組ではまさにユーラシアの交流という視点から、東アジア、中央アジア、中近東、ヨーロッパを常に同時に概観しながら歴史を語っていく番組となっている。ヨーロッパ的視点からの脱却があたりまえのことのように語られているのを見るのは目からウロコの連続で、原因と結果が逆転していることを教えられたりもする。
もっと早く歴史の面白さを知っていたら好かったのになあ、とつくづく思う。




















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