『果てしなきスカーレット』
押田守原作・脚本・監督のアニメ映画『果てしなきスカーレット』を見た。生と死の間(はざま)に時空を越えた世界があることを前提に見ないと、意味がわからないことになるかもしれない。その間の世界のさらにその先には永遠の死、つまり虚無があるらしい。間の世界で死ぬと、肉体は四散して真に消滅してしまう。
デンマークの王女だったスカーレットは、父を死に追いやった叔父に復讐するつもりだったところ、それを見抜かれて叔父に毒を盛られ、意識を失い、その間(はざま)の世界で覚醒する。そこでは生者の世界と同様戦いがあり、生き抜くためには戦い続けなければならない。そして死者が永遠に存在し続けることの出来る「見果てぬ場所」というところがあり、叔父はそこに居るらしいことを知る。
さまざまな世界が混沌として混在するその世界での出会い、別れ、戦いが描かれる。そこで描かれる天空のふしぎな様子が映像的に素晴らしい。空であり、同時に海であるかのようである。風景は広い空間を細密に描いて、いままで見たアニメの中で最も美しい。
シェイクスピアの「ハムレット」を思わせるような物語を縦糸に、生と死、死後の世界についての新しいイメージを描いている。簡単な解釈を許さない面があり、そのことがこのアニメの評価を上げたり下げたりしたようだ。少し押田守の独りよがりの部分がないではないが、私は一応高評価をしたいと思う。一部音声が極めて低くなって聴き取りにくい部分があった。
声優が豪華である。芦田愛菜、岡田将生、役所広司、市村正親、斉藤由貴、柄本時生、吉田鋼太郎、松重豊、青木崇高、染谷将太、白石加代子等々。エンドクレジットを見るまでわからない人が多かった。
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